奈良・御所の火葬場汚職 贈賄側の建設会社元会長ら2人に有罪判決

　奈良県御所（ごせ）市議の小松久展（ひさのぶ）被告（70）＝加重収賄罪で起訴＝に火葬場の新設工事を巡る受注調整の謝礼で現金7500万円を渡したとして、贈賄罪に問われた建設会社の元会長と元社長の判決公判が12日、大阪地裁であった。坂口裕俊裁判長は「市議の職務の公正さに対する社会の信頼を害した」と述べ、元会長に懲役3年、執行猶予5年（求刑・懲役3年）、元社長に懲役2年6月、執行猶予5年（同2年6月）を言い渡した。

　贈賄側の2人は、建設会社「ゴセケン」（御所市室）元会長の西本登美雄被告（73）と元社長の中本喜則被告（57）。判決によると、ゴセケンを代表とする企業グループが調整を経て火葬場工事を受注することになった見返りに2021年、小松市議に7500万円の賄賂を渡した。

　判決は「不正行為によって公正な競争が害され、より質の高い提案をする業者に工事を受注させる機会が失われた」と非難。一方、両被告が起訴内容を認めて反省していることを踏まえ、執行猶予が相当とした。【古川幸奈、高良駿輔】