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遺産5600万円「動物のために」 身寄りない男性寄付、愛護棟開設


 「遺産は動物愛護に役立ててほしい」。約2年半前になくなった神奈川県横須賀市の男性の遺言を受け、市は今月、劣悪な環境で保護された主に猫などの保護動物の譲渡を促す動物愛護センター愛護棟(別棟)を開設した。開設費約4100万円は、男性側から市に寄付された遺産で賄った。市の担当者は「男性の遺志を引き継いで動物を救う施策を進めたい」と話している。

 市によると、2020年末に亡くなった男性は身寄りがなく、生前、銀行に対して遺産を動物愛護に生かすよう伝えていた。銀行は21年8月、市に男性の遺志を伝えたうえで、遺産約5600万円を寄付。この一部が愛護棟の開設費に充てられた。

 愛護棟は1日、浦郷町5にオープンした。木造平屋約100平方メートルで、猫の習性に合わせた充実した設備が特徴。2~5頭を飼える猫や犬の飼育室が計4部屋があり、猫用の部屋は、快適に過ごせるよう壁伝いにつけられたキャットウオークのほか、キャットタワー、エアコン、手間いらずで排せつ物を処理できる自動清掃トイレを備える。建物の窓を大きくとり、外からも見やすいよう工夫されている。

 譲渡を希望する人は予約のうえ、愛護棟にいる猫を見学して、条件が合えば引き取ることができる。その際、譲渡希望者が充実した愛護棟の施設を目の当たりにすることで、正しい飼育方法を学ぶこともできる。

 市内で22年度に保護された猫は約100頭。飼い主が高齢や病気で飼えなくなったことが主な要因だ。飼い主が適正なペット数を超え無秩序に飼育して飼育不能になる多頭飼育崩壊で、一度に約40頭が保護されたケースもあった。市は病気などで殺処分する場合を除いて、大半の保護猫について、不妊手術をしたうえで無償譲渡しており、同年度は66頭が譲渡された。

 動物愛護センターの高義浩和所長は「健康な猫以外にも、病気や障害を抱える猫たちもいる。その子たちも引き取ることも考えてほしい」と呼びかけている。問い合わせは同センター(046・869・0040)。【橋本利昭】

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