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観光客増、ベビーカーを押してバスに乗れない… 京都で対策を望む声


 新型コロナウイルスの影響が緩和され、観光需要が急回復している京都市バスで、ベビーカーの乗車が困難になっている。人出の増加に伴う混雑に加え、大型荷物の持ち込みが目立ち、置き場がないためだ。市は今月から全バスの前面に「ベビーカーマーク」を掲げ、譲り合いを呼び掛けている。「市民の足」と観光利用の両立に向けて、抜本的対策を期待する声もある。

市バス全車両に青いマーク掲示

 市交通局は18日、801台ある市バス全車両で、行き先表示の隣に青色のベビーカーマークの掲示を始めた。市バスは2010年度からベビーカーを折り畳まず乗車できるよう、車内中央部を置き場にして2カ所に固定用ベルトを設置。これまでも乗車口近くにベビーカーマークを張っていたが今回、前方の目立つ位置により大型のマークを出すことにした。

 背景には、受給バランス悪化による市バスの混雑がある。インバウンド(訪日外国人)の増加を追い風に、京都を訪れる観光客数はコロナ禍前の水準に回復しつつある。これに対し、市はコロナ禍の需要減を受け、19年に822台あったバスを21台削減している。

大型荷物置き場のある車両も導入

 さらに混雑に拍車をかけているのが、大型荷物の持ち込みだ。コロナ禍前からオーバーツーリズムの課題と指摘され、市は対策として19年以降、車内にキャリーバッグを6個置ける場所を設けた車両と2個置ける車両を計62台導入し、混雑緩和を図った。

 門川大作市長も今年3月、市バスへの大型荷物の持ち込みを控えるよう、記者会見や動画で観光客に呼び掛けた。市は駅のコインロッカーや手荷物預かり所の利用を推奨しているほか、駅や空港と市内宿泊施設の間の荷物搬送サービスを活用し、手ぶらで観光する「ハンズフリー京都」も推進している。ただ、利用者の費用負担や周知不足で定着しているとは言い難い。

赤ちゃん連れ観光客も「抱っこは大変」

 2歳児を乗せたベビーカーを手に市バスを待っていた左京区の会社員女性(36)は「今春からかなり混み始め、人目が怖くて乗りづらい。ベビーカーマークはないよりましだが、本当に子育てしやすい街を目指すなら、当たり前のようにベビーカーで乗れる体制を整えてほしい」と話す。

 ベビーカー利用者は観光客にもいる。スペインから幼児を含む家族5人で京都観光に来た男性(35)は「満員だったから思わずベビーカーを畳んだよ。家族が荷物を持ってくれたからいいけど、満員の車内で抱っこするのは大変。子連れでも観光しやすい街になるといいね」と語った。

 市バスの混雑は、車椅子の利用者や体の不自由な人々にとっても切実な問題だ。車両増加や増便などを求める声も根強いが、財政負担が伴う。市交通局は「増便などは運転手不足もあり、すぐに実現できない。みんなが安心して利用できるよう譲り合いを」と理解を求めている。【千葉紀和】

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