110番で臨場した住宅に残されていた現金約600万円を盗んだとして、警視庁は27日、同庁三鷹署地域課巡査長、矢吹雄太容疑者（25）＝東京都三鷹市下連雀＝を窃盗と邸宅侵入容疑で逮捕した。「自分がやったことに間違いありません」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、20日午後8時から21日午前11時半ごろまでの間、三鷹市の60代男性の住宅から現金約600万円を盗んだとしている。
警視庁によると、矢吹容疑者は20日朝から三鷹署で当直についていた。同日午後5時半ごろ、被害にあった男性の親族から「男性がベッドの上で横たわって動いていない」と110番があり、矢吹容疑者ら複数の警察官がその住宅に駆け付けた。
男性は室内ですでに亡くなっていた。病死とみられ、矢吹容疑者らは男性の遺体発見に関する対応を午後8時に終えた。室内には1000万円を超える多額の現金が残されていたが、21日午前に男性の親族が現金の一部がなくなっているのに気づいた。矢吹容疑者が遺体の取り扱い中に現金があることを把握し、盗んだとみられる。男性は1人暮らしだった。
警視庁は矢吹容疑者が現金を盗んだ動機などを調べる。大嶌正洋警務部参事官は「警察官として言語道断の行為であり、今後は捜査を尽くして明らかになった事実関係に基づいて厳正に対処していく」と述べた。【朝比奈由佳】
