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狭山事件60年「冤罪晴れるまで戦う」 1200人が集会し連帯


 埼玉県狭山市で1963年5月に女子高校生が殺害された「狭山事件」。罪に問われ、冤罪(えんざい)を訴える石川一雄さん(84)が別件逮捕されてから60年を迎えた23日、東京・日比谷野外音楽堂で市民集会が開かれた。雨が降りしきるなか、石川さんを支援する集会に約1200人(主催者発表)が参加した。石川さんは「冤罪が晴れるまで、元気に戦っていく」と訴えた。【隈元浩彦】

 主催したのは、ルポライターの鎌田慧さんが事務局長を務める「狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会」。事件から60年の節目の年を迎え、スローガンに「無実を叫び60年! 袴田再審に続け!」を掲げた。

 妻の早智子さん(76)とともに演壇に立った石川さんは、雨空を見上げて「この60年、涙、涙……。ただ皆さんの前では涙を見せてはいけないと思い戦ってきました」と、これまでの苦しい来し方を振り返った。そして、この日のためにつくった歌を披露した。

 「吾が無実 叫び続けて60年 動かせ司法 満座の声で」

 石川さんは無期懲役が確定後、1994年に仮釈放された。部落差別が生んだ冤罪事件として、第3次となる再審請求を求め、すでに17年を迎えた。弁護団が決定的な新証拠として位置づけているのが、石川さん宅から見つかった万年筆のインクは被害者が事件当日まで使っていたインクと異なるとする鑑定結果だ。弁護団は裁判所による鑑定と、新証拠に関する鑑定人の証人尋問を求めている。狭山事件の裁判では、74年の東京高裁判決以降、一度も裁判所による事実調べは行われていない。

 壇上には証人尋問などを求める約51万筆の署名簿が入った段ボールが積み上げられ、早智子さんは「これは大きな世論です」と、一日も早い裁判所の決定を求めた。

 また、集会には再審開始が決まった袴田事件(66年)の袴田巌さんの姉、ひで子さんや、再審無罪を勝ち取った足利事件(90年)の菅家利和さん、東住吉事件(95年)の青木恵子さんらも参加、連帯をアピールした。

 かつては支援母体の部落解放同盟の子どもたちから「石川のお兄ちゃん」と呼ばれた石川さんだが、すでに84歳。視力の衰えなど老いは隠せない。西島藤彦・部落解放同盟中央本部委員長は「これ以上時間を延ばすわけにはいかない」と悲痛な口調で訴えた。

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