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長井健司さんカメラ16年経て「ようやく」墓前に 遺族真相究明望み


 軍事政権下のミャンマーで2007年9月、反政府デモを取材中に治安部隊に射殺された映像ジャーナリスト、長井健司さん(当時50歳)が亡くなる直前まで撮影していたビデオカメラが、現地メディアを通じて約16年ぶりに遺族に返還された。30日、妹の小川典子さん(63)が愛媛県今治市にある長井さんの墓を訪れ、「ようやく手元に戻りました」と報告した。

ミャンマーで07年被害

 小川さんによると、ビデオカメラは現地の独立系メディア「ビルマ民主の声(DVB)」が入手。2月半ばにDVBの関係者から連絡を受けた小川さんが4月26日、タイの首都バンコクで受け取った。中にはテープ1本が入ったままで、約5分間の映像が残されていた。映像には、ミャンマーの中心都市・ヤンゴンで抗議活動する僧侶や市民の様子、現場に到着した国軍のトラック、周囲の状況を伝える長井さんの姿などが映っていたという。

 小川さんは「映像で兄の姿を見て、16年前の記憶が鮮明によみがえった。非常につらかった」と振り返った。ビデオカメラは近く警視庁に提供するつもりだといい、長井さんの死の真相究明につながることを望んでいる。

 長井さんが射殺された当時、ミャンマー国軍は日本側に長井さんが流れ弾を受けたと説明。ビデオカメラの存在についても否定し、遺族の再三の返還要求にも応じてこなかった。今回、返還が実現した具体的な経緯は明らかにされていない。現地では21年2月に軍事クーデターが発生して以降、国軍による攻撃が激化しており、23年4月には大規模な空爆も報道された。

 小川さんは、長井さんの墓前で「兄の気持ちに立てば『カメラが戻ったことをきっかけに、世界の目が再びミャンマーに注がれてほしい』と訴えるはずだ」と語った。5月19~21日には広島で主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれる。小川さんは「ウクライナの問題だけでなくミャンマーの民主化も議題にして、平和的解決に向けて話し合ってほしい」と日本政府のリーダーシップに期待を寄せた。【鶴見泰寿】

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