ゴールデンウイーク（GW）が29日、始まった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけがGW明けに5類に引き下げられるのを前に、政府の水際対策は前倒しで同日に終了。旅行業界の予約状況も回復傾向で、各地でコロナ禍前のにぎわいを見せている。
成田空港では大型連休を海外で過ごす人たちの出国ラッシュがピークを迎え、国際線の出発ロビーは大勢の旅行客で混雑した。新型コロナの影響でなかなか行けなかった海外旅行を楽しもうと、家族連れらが笑顔で航空機に乗り込んだ。
友人と一緒にベトナムなどを訪れる東京都品川区の会社員、岡田倫哲（とものり）さん（30）は「海外旅行は5年ぶりでわくわくしている。食事を楽しみ、たくさん買い物をしたい」と話した。青森県六ケ所村の会社員、吉田圭太さん（37）は長女芽衣さん（5）を連れてシンガポールに向かった。吉田さんは「航空券や現地での滞在費は以前より高くなっているけれど、どうしても海外に行きたかった」と話した。
成田国際空港会社によると、28日～5月7日の出国者数は約30万人。感染拡大前の2019年同期比では57％にとどまるが、22年同期の7・1倍に上る。旅行先はアジアやハワイが人気という。出国のピークは29日の3万7500人で、入国のピークは5月7日の3万4800人。【中村宰和】
