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チャールズ英国王戴冠式にヘンリー王子出席へ 当日は反王室デモも


 昨年9月に死去したエリザベス英女王の後を継ぎ、新国王に即位したチャールズ3世(74)の戴冠式が5月6日、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる。日本の秋篠宮ご夫妻ら世界の要人約2000人が出席し、新国王の時代の始まりを改めて祝福する。一方、英国では一部で君主制廃止論も根強く、当日は反王室デモも予定されている。

 新しい英君主の戴冠式は、1953年のエリザベス女王以来70年ぶり。戴冠式は国王が王冠を授かる儀式で、国内外に即位を広く周知する意味合いがある。国王は今回、生活費高騰に苦しむ国民感情に配慮して「簡素化」を図っていると報じられており、3時間に及んだ70年前の戴冠式より短く、予算も削減される見通しという。英BBC放送によると、戴冠式の総費用については、式典後に英政府が明らかにする。

 当日は英国国教会の最高位聖職者であるカンタベリー大主教の手で、国王の頭に王冠が授けられる。その後、王室メンバーが君主に忠誠を誓ってひざまずくのが慣例だったが、国王は今回、ひざまずくことをやめるよう求めたと報じられている。

 国王の次男で、2020年に王室の公務から離脱したヘンリー王子(38)=米国在住=も出席する予定だ。王子は今年1月に出版した著書「スペア」の中で、兄ウィリアム皇太子(40)からかつて暴力を振るわれたと主張。王室への批判を続けてきただけに、出欠が注目されていた。王子の妻メーガン妃も招待されたが、子供2人と共に米国に残るという。式典には秋篠宮ご夫妻の他、ジル・バイデン米大統領夫人ら各国要人も出席する。

 一方、最近は若い世代を中心に「君主制反対」を訴える人々のデモも増えている。BBCによると、国民的人気を誇ったエリザベス女王時代に王制廃止論を唱えるのは「国民を敵に回すリスク」があったが、女王死去後はこうした配慮がなくなったという。

 王室廃止を訴える団体「リパブリック(共和制)」のグレアム・スミス代表は4月24日、ロンドンで記者会見し、「王制反対派が増えていることを世界に示したい」と述べ、戴冠式当日にロンドンのトラファルガー広場でデモを実施することを明らかにした。スミス氏は「国民の多くは民主主義を信じている。階級制度の上に築かれた君主制はこれに反する」と指摘。国民が物価高に苦しむ中、「過剰な警備に公金が使われている」状況を批判した。

 英調査会社ユーガブの4月の国内世論調査によると、「君主制を維持すべきだ」との回答は65歳以上では78%だったが、18~24歳ではわずか32%。4月の別の世論調査でも、戴冠式に「それほど興味はない」「全く興味がない」との回答が合計で64%に上った。

 チャールズ国王は皇太子時代から環境問題への関心が深く、早くからサステナビリティー(持続可能性)を企業に求めてきたことでも知られる。だが最近は、気候変動問題の演説会場に向かうために「(温室効果ガスを排出する)プライベートジェットを使う」(ベーカー元下院議員)といった批判も出始めている。

 チャールズ国王の伝記作家も務めるジャーナリストのキャサリン・メイヤー氏は今年2月の記者会見で、国王は自身が母エリザベスのように人気がないことを十分に認識していると指摘。「国王は、王制の危機に対処することを重視している」と話した。【ロンドン篠田航一】

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