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公営住宅入居、生活困窮者に壁 保証人既定の見直し遅れ、改善望む声


 公営住宅への入居にあたって保証人を求められることが生活困窮者の壁になるケースがある。国は保証人を必要とする条例の規定を削除するよう求めているが、多くの自治体で見直しが遅れており、支援団体からは改善を望む声が上がっている。

 低所得者向けの公営住宅は、条例などで入居するための条件が自治体によって定められており、これまで保証人を必要とするケースがほとんどだった。ただ、国土交通省が2018年、単身の高齢者が増加していることなどを踏まえ、保証人を求める規定の削除を促す通知を全国に出した。

 しかし、見直しはあまり進んでいない。国交省の調査によると、22年4月1日時点で、公営住宅がある全国の1668自治体のうち保証人を求めていなかったのは391自治体にとどまり、残る1277自治体は規定を維持していた。

 宮崎県や宮崎市は、障害があるなどのやむを得ない事情がある世帯は保証人を免除する場合があるとしているが、原則は連帯保証人1人の確保を求めている。見直しに慎重な理由として主に挙げられるのが「家賃滞納の増加への懸念」だ。

 ただ、愛知県などの東海地方を管轄する総務省の中部管区行政評価局が22年に実施した調査では、保証人の規定を削除した自治体で、家賃の収納率が大幅に減った事案はなかった。そこで同局は保証人規定を撤廃した自治体の取り組みを他の自治体に情報提供しているという。

 生活困窮者を支援している宮崎市のNPO法人「カーサ・グランデ」には、身寄りのない高齢者や障害者からのSOSが日々届く。住まいの確保は生活を立て直すための最優先事項で、公営住宅への入居をサポートすることは珍しくない。しかし、連帯保証人を求められるなどして入居を断念せざるを得ない人がいるという。

 昨年、外国籍の女性が市営住宅に入るのを支援した時のこと。女性は複数の子どもと一緒に元夫のDV(ドメスティックバイオレンス)から逃れている最中だったため、安全な場所の確保が急務だったが、連帯保証人を求められ入居まで数日かかった。

 同法人の理事長、野本修二さん(57)は「外国籍の人が連帯保証人を立てるのは相当難しい。そもそも公営住宅に入ろうとする人たちはさまざまな問題を抱えていることが多いので、部屋を借りる時ぐらいはもっと簡単にしてほしい」と話している。【一宮俊介】

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