首相、谷国家公安委員長の更迭を拒否 「うな丼」発言巡り

　岸田文雄首相は26日午前の参院本会議で、首相が衆院和歌山1区補欠選挙の応援演説会場で爆発物を投げ込まれる襲撃を受けた後も「うな丼をしっかり食べた」と語った谷公一国家公安委員長に関し、「引き続き職務に当たってもらいたい」と述べ、野党の更迭要求を拒否した。立憲民主党の宮口治子氏への答弁。

　宮口氏は質疑で、広島での主要7カ国首脳会議（G7サミット）を5月に控える中、「事件に対する危機感も緊張感も感じない人物に要人警護、警備の責任を担わせていいのか」と批判。「『うな丼大臣』は即刻更迭してください」と求めた。

　首相は15日の襲撃事件を巡り、「谷氏は出張先で事件発生の報告を受け、必要な指示、情報収集を行いながら用務を継続したと聞いている」と述べた。

　谷氏は25日の自民党議員のパーティーで、首相が襲撃された際は高知県で視察中だったとした上で「おいしいうな丼を食べられると楽しみにしていた。これから食べようという時に警察庁から電話があった。だが、うな丼はしっかり食べさせていただいた」などと述べた。【小田中大】