22日午前11時ごろ、神戸市長田区東尻池町9のラーメン店「龍の髭（ひげ）」で、従業員の女性（65）から「店主の男性が血を流して倒れている」と119番があった。男性は50代の店主で、頭部を銃で撃たれたとみられ、搬送先の病院で約1時間後に死亡が確認された。兵庫県警暴力団対策課は殺人事件とみて、長田署に捜査本部を設置した。
捜査本部などによると、店主の男性から買い物を頼まれた女性従業員が店に戻ると男性が調理場で頭や鼻、口から血を流して倒れていた。死亡診断した医師が頭部に銃弾が残っているのを確認した。現場から拳銃は見つかっておらず、県警は拳銃を持った人物が逃走した可能性があるとして、事件後の約3時間、県内全域で緊急配備を実施した。事件当時、店内に客はいなかった。捜査本部は男性を暴力団組員とみて、事件の背景を調べている。
現場は神戸市営地下鉄海岸線苅藻（かるも）駅の東側約100メートルにある住宅や事業所が建ち並ぶ地域。近くで飲食店を経営する男性（75）は「開店準備をしていたらパトカーや救急車が来て騒然としていた。路上で鼻と口から血を流した男性が救命活動を受けていたが、顔は真っ青で救急車に運ばれていった。50年ほど住んでいるが、こんな事件はなかった。恐ろしい」と驚いていた。
