北朝鮮、海中の核爆発で津波を起こす実験 米韓を強くけん制か

　北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、今月4～7日に水中戦略兵器システムの実験を行ったと報じた。海中で核弾頭を爆発させて津波を発生させ、敵の艦船や港を破壊する「核無人水中攻撃艇」が投入されたとしている。

　北朝鮮は3月21～23日と25～27日にも、核無人水中攻撃艇を用いた実験を行ったと主張していた。ミサイルに加え、水中からの攻撃が可能なことを強調し、合同訓練などを続ける米韓両国を強くけん制する狙いがあるとみられる。

　同通信によると、核無人水中攻撃艇は4月4日午後に東部咸鏡南道（ハムギョンナムド）金野（クミャ）郡の港で実験に投入され、日本海に設定された楕円（だえん）や「8の字」形の計1000キロのルートを71時間6分間潜航し、7日午後に目標水域に到達、実験用の弾頭が正確に水中起爆したと主張した。

　一方、韓国軍合同参謀本部は3月27日、北朝鮮の核無人水中攻撃艇について「まだ開発の初期段階にある」として北朝鮮の主張は誇張、捏造（ねつぞう）である可能性が高いとの分析を発表している。【ソウル渋江千春】