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九大キャンパス跡地に白骨遺体 発見1年も遺留品なく捜査難航


 九州大箱崎キャンパス跡地(福岡市東区)の解体作業現場で、白骨化が進んだ20~40代とみられる男性の遺体の一部が見つかってから7日で1年。福岡県警は何者かが遺体を切断して遺棄したとみて捜査本部を設置したが、男性の身元が特定できず、捜査は難航している。跡地では再開発が進み、事件の形跡も薄れる。

 遺体は2022年4月7日午前11時半ごろ、敷地内のほぼ中央部にあるがれき集積場で見つかり、解体作業員が110番した。

アジア系外国人の可能性

 県警によると、腰から両脚にかけての部位で白骨化が進み、左脚は膝上あたり、右脚は付け根あたりに刃物で切断された痕があった。男性がはいていたとみられる白いトランクスもあったが、他の部位や身元の特定につながるような遺留品は見つかっていない。

 翌8日、県警は死体遺棄事件と断定して捜査本部を設置。司法解剖の結果、男性は21年9月~22年2月ごろに死亡したとみられ、遺体などの特徴からアジア系外国人の可能性があるという。

 捜査本部は延べ9300人を動員し、この間に行方不明になった人の家族や解体工事の関係者ら約4000人から話を聞いたが、身元の特定につながるような手がかりは得られていない。現場周辺の防犯カメラの分析も進めているが、遺体が遺棄された時期を含め、未解明な点は多い。

 旧箱崎キャンパスでは、14年度にスタートした解体作業が21年7月にほぼ終わり、遺体の発見時には大部分が更地となっていた。現場の集積所は22年3月から始まった建物の基礎部分の撤去作業で発生した、がれきを集めるために使われ、遺体はがれきに紛れ込むような形で見つかった。

 男性の死亡推定時期と比較すると、建物の解体工事が完了してから基礎部分の撤去作業が始まるまでの時期とも重なる。

 ただ、工事関係者らによると、敷地内では再開発に向けた各種工事が断続的にあり、更地になった後も日中に作業員がいなくなることはなかった。跡地の周囲は低い部分もあるものの塀で囲われ、夜間は電子ナンバーキー付きのゲートで出入りも管理されていた。

 捜査が難航する中、現場の跡地では再開発に向けた動きが加速している。

 九州大と都市再生機構(UR)は23年2月、再開発事業者の公募を4月から始めると発表。跡地では現在、基盤工事が進む。九大とURの担当者は、事件による再開発への影響は今のところないとしつつ「捜査機関に協力を求められれば、最優先で対応すべきだと考えている」と話す。

 捜査本部は今後、行方不明者の対象時期を過去10年ほどに広げ、身元の特定を進める方針。捜査本部のある県警東署の松本大輔刑事管理官は「ささいな情報でも提供してほしい」と話した。事件に関する情報提供は東署刑事1課(092・643・0110)。【佐藤緑平、河慧琳】

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