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青い火の玉がユラユラ琵琶湖へ…旭堂南湖さん著「滋賀怪談」出版


 青い火の玉がユラユラユラユラ揺れながら、琵琶湖に向かって……。滋賀県甲南町(現甲賀市)出身の講談師、旭堂南湖(きょくどう・なんこ)さん(49)が、文庫本「滋賀怪談 近江奇譚(きたん)」(竹書房、781円)を出版した。南湖さん自身が取材し、県内各地を舞台にした怪談34編、講談2本にまとめた。「滋賀県再発見のきっかけになればうれしい」と南湖さんは話している。【庭田学】

 怪談の舞台として、竹生島、醒井(さめがい)養鱒(ようそん)場、海津大崎に近い「義経の隠れ岩」といった名所のほか、国道307号、皇子山陸上競技場、土山の青土ダムなどが登場する。県庁で記者会見した南湖さんは「ガイドブックのようになっている。(県外の人が)滋賀県に足を運んでみたくなるような本」とPRした。

 昭和・平成の都市伝説的な不思議な物語も多い。飛び出し坊や、びわ湖毎日マラソン、奥琵琶湖でのバス釣り、丁稚羊羹(でっちようかん)、長浜盆梅展など、湖国ならではの風土・行事が重要な要素となっている。安土城や織田信長、賤ケ岳の合戦にまつわる怪談のほか、江戸時代から伝わる甲賀の妖怪「片輪車(かたわぐるま)」を紹介し、「平成の片輪車」のようなエピソードも収めた。

 南湖さんは会見で「冬は義士、夏はお化けで飯を食い」という講談師を詠んだ川柳を紹介。「昔から夏の怪談というのは講談師の売りでございました。私も怪談が好きで、入門してすぐに取り組んできた。滋賀の怪談は水に関わることなど、近くに湖があるというのが大きな特徴だと思う」と話した。

 全国の「ご当地怪談」を出版する竹書房の怪談文庫シリーズで、近畿では京都、大阪に次いで滋賀が登場した。南湖さんは三代目旭堂南陵に師事。2021年度県文化奨励賞を受賞した。大阪市在住。

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