福島のJR磐越西線が全線で運転再開 鉄橋崩落から8カ月ぶり

　JR東日本は1日、昨年8月の記録的な大雨で福島県喜多方市の濁（にごり）川にかかる鉄橋が崩落して不通となっていた磐越西線の喜多方―山都間（9・9キロ）の運転を8カ月ぶりに再開した。喜多方駅前では記念式典が開かれ、地元関係者ら約100人が再開通を喜び合った。

　喜多方市の遠藤忠一市長は式典で「磐越西線を核とした街づくりに力を合わせて取り組む」と強調し、喜多方駅の鈴木充隆駅長は「一番列車が時刻通りに到着し、発車する光景に安堵（あんど）した。今後も日常の足を守っていく」と決意を述べた。

　磐越西線は郡山―新津（新潟市）を結ぶ路線。被災後は、JRが不通区間で代行バスを運行していた。

　会津豊川駅が最寄りの小椋慶子さん（82）は、友人と式典を見届けた。新潟県出身で、帰省する時には磐越西線を利用する。被災後は喜多方駅で代行バスに乗り換えるため、この半年あまりは余計に時間がかかっていた。「おいっ子が車で迎えに来てくれたが、すごく不便だった。鉄道のありがたさが分かった」と喜んだ。

　JRによると、復旧費は15億円規模を見込む。県や自治体との費用負担は、今後検討するという。【肥沼直寛】