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性風俗で望まぬ妊娠、そして…NPO風テラス「一人で悩まず相談を」


 誰に相談したらいいのか分からなかった――。望まない妊娠の末、赤ちゃんの遺体を遺棄した罪に問われた女性は公判で、こう打ち明けた。女性は性風俗で生計を立て、性行為を求める利用客の子どもを妊娠したが産婦人科を受診しないまま一人で出産した。同様に孤立するケースは少なくはなく、女性らを支援する取り組みも広がっている。

 昨年9月26日、大阪地裁。死体遺棄罪に問われた女性(28)に対し、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決(求刑・懲役1年6月)が言い渡された。高橋里奈裁判官が「自分の体を大切にしてください」と諭すと、女性は小さくうなずいた。女性は控訴せず、刑が確定した。

 判決によると、女性は2022年6月、大阪市中央区のコインロッカーに、自分が出産した乳児の遺体が入った紙袋を放置した。

 女性は北海道出身。21年4月から大阪市内のホテルを転々としながら、売春もしていた。客に避妊を拒まれて妊娠し、22年4月、ホテルの一室で一人で出産した。赤ちゃんは死亡していた。

 女性は被告人質問で、妊娠について誰にも相談せず、経済的な理由で産婦人科も受診しなかったと明かした。「赤ちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱい。毎日供養して、ちゃんとした生活を送れるように頑張る」と言葉を振り絞った。

 「こういったケースは氷山の一角だ。相談できずに孤立してしまう人は多い」

 そう危惧するのは、NPO法人「風(ふう)テラス」(新潟市)の坂爪真吾理事長(41)だ。同法人は性風俗で働く女性の悩みを聞き、行政機関や弁護士などにつなげている。15年から無料相談会を開いており、ツイッターや無料通信アプリ「LINE(ライン)」でも受け付けている。相談内容は、借金や利用客とのトラブル、性暴力、妊娠など多岐にわたる。

 同法人によると、19年の相談件数は874件だったが、20年は新型コロナウイルスの感染拡大で仕事を失う人が相次ぎ、過去最多となる2929件だった。生活に困窮するケースも相次ぎ、食料支援などを実施。22年も2267件(速報値)の相談が寄せられた。

 性風俗で働いていたことを親などに知られるのではないかと相談をためらう人もいるという。坂爪さんは「秘密は守ります。一人で不安を抱え込まず、気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。

 風テラスへの連絡・相談はHP(https://futeras.org/)から。【山本康介】

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