ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんが3日、老衰のため死去した。88歳だった。訃報が流れた13日午後、SNS(ネット交流サービス)では、各界の著名人から悲しみの声があふれた。
大江さんと同様に大学在学中、芥川賞を受賞した作家、平野啓一郎さんはツイッターを更新し、追悼した。
<本当に残念でなりません。大江さんが活躍されていた時代に小説家としてデビューして、謦咳(けいがい)に接したことは、掛け替えのない経験でした。もっとお話ししたかったです>
「切羽へ」で直木賞を受賞した作家、井上荒野さんは、自身のエッセー作品「ひどい感じ」をめぐる、大江さんとのエピソードをツイート。
<ご冥福をお祈りします。二十年近く前、たぶん私が「ひどい感じ」の中で大江さんのファンだって書いたのを読んでくださったからだと思うけど、ご著書をお送りいただき、そのとき入っていた署名入りのカードは私の宝物>
ミュージシャンのスガシカオさんも、ツイートした。
<学生の頃から読んでいて、大江健三郎さんからは大きな影響を受けて育ちました>
1999年発売のアルバム「Sweet」について<自分の中の大江さんイズムが爆発した作品だった>と紹介し、こう結んだ。
<いつかどこかで…などと勝手な妄想をしておりましたが、とても残念です。ご冥福をお祈りいたします>
扇千景さんと並べたメッセージも
大江さんの訃報から数時間後、松竹が発表した。
宝塚歌劇団出身の女優で、女性初の参院議長を務めた扇千景さんが9日、食道胃接合部がんのため、死去した。89歳だった。
<大江健三郎さん 扇千景さん>
SNSでは、2人の名前を並べたメッセージも相次いだ。
<亡くなる ひとつの時代の終わりだな ご冥福をお祈りします>
<平成の時代もご活躍だったよね>
<88歳と89歳 どちらも長命で>
関連ワードがトレンド入り。昭和、平成、令和時代へと活躍した2人への追悼の言葉であふれた。