ウクライナ高官、ロシア情報はうそ＝「原発に西側兵器」で責任転嫁か

　ロシア対外情報局（ＳＶＲ）が２３日の声明で「ウクライナ軍が西側諸国から提供された兵器・弾薬を（北西部ロブノ）原発敷地内に保管している」と主張したことに対し、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は同日、内容を完全に否定した上で「ロシアによるうそ」と一蹴した。 　ＳＶＲは、謀略も行う旧ソ連国家保安委員会（ＫＧＢ）の後継機関の一つ。実際には、ロシア軍がロブノとは別の南部ザポロジエ原発を占領し、敷地内に部隊を展開しているとされる。今回の声明は、原発に関する安全確保の責任転嫁と印象操作を狙ったプロパガンダの可能性がある。 　ポドリャク氏はツイッターでＳＶＲの発表を「架空」と批判。国際原子力機関（ＩＡＥＡ）がロブノ原発を含む国内５カ所の全原発に人員を配置する方針であることを念頭に「ウクライナは常に検査機関、とりわけＩＡＥＡに対してオープンだ」と強調した。 　ザポロジエ原発は砲撃にさらされて核惨事の恐れが高まり、双方が相手の仕業と非難し合っている。ポドリャク氏はＳＶＲの狙いについて「（ウクライナに責任転嫁して）挑発を正当化することだ」と訴えた。　【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナのポドリャク大統領府顧問＝１０日、キーウ（キエフ）（ＡＦＰ時事）