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長年のボランティア、次世代に=神戸に家族で移住、被災―俳優の堀内さん


 17日で28年となる阪神大震災では多くのボランティアが被災地に駆け付けた。2001年にNPO法人「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」を立ち上げた俳優の堀内正美さん(72)=神戸市=は多忙な本業の傍ら、毎年1月17日に約1万個の灯籠を東遊園地(同市中央区)に飾り、追悼行事を開催してきた。家族と移住した神戸で始めたボランティア。9年前に代表を退き、「若い芽を育てることができた」と話す。  東京都世田谷区生まれ。小学生の時、映画監督だった父が持っていた土門拳の写真集「筑豊のこどもたち」を見て、不自由なく暮らす自分との格差に衝撃を受け、高校時代からは社会を良くしたいとの思いで学生運動に参加した。  短大生だった21歳の時、落花生農家の手伝いをしていると、年老いた男性から「あんた方は帰る所があっていいね」と言われ、われに返った。「よそ者が自分勝手に正義を振りかざしているだけじゃないか。地に足が着いていない」と思い知らされ、自分が嫌になって学生運動から離れた。  その後、劇団の手伝いをしていた際にテレビ局関係者から声を掛けられ、23歳の時に俳優としてデビュー。映画やドラマの出演数も増えたが、気分は弾まなかった。順調に収入も得たが、「何の苦労もなく手にしたあぶく銭じゃないか」と違和感を持ち続けた。  「漫然と俳優業を続けるのではなく、東京を離れて客観的に自分の仕事を見詰め直したい」。33歳の時、家族と共に神戸に移り住み、震災に遭った。被災者同士で炊き出しをしたり、衣服を分け合ったり。市民の自助共助がそこにあった。  震災後も「この神戸に残る」と決意し、被災者らへのボランティア活動を続けてきた。大切にしてきたのは、市民がお互いを思いやり、寄り添うこと。00年に47都道府県から寄せられた種火でつくった「1.17希望の灯り」は今も東遊園地でともり続ける。  震災の記憶を忘れないよう、現在は犠牲者の名前を、東遊園地内のモニュメントの銘板に刻む活動などに取り組む。NPO活動の主体は次世代に移り、「ようやく地に足が着いた活動ができたかな」とほほ笑んだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕阪神大震災後にボランティア団体を立ち上げ、犠牲者の追悼行事を開いてきた堀内正美さんと、47都道府県から寄せられた種火でともした「希望の灯り」=2022年11月、神戸市
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