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中国、入国時隔離を完全撤廃=「ゼロコロナ」本格終了―日米など水際対策強化


 【北京時事】中国は8日、新型コロナウイルス対策として実施してきた入国時の隔離措置を完全に撤廃した。約3年間続いた「ゼロコロナ」政策が本格終了し、帰国時の行動制限がなくなったことで、中国人の海外旅行が急増すると見込まれている。ただ、感染状況に関する中国政府の公開情報には不透明な部分が多く、日米などは中国からの渡航者に対する水際対策を強化している。  中国では昨年12月ごろから感染が爆発的に拡大し、既に全人口の半数近い6億人が感染したとの見立てもある。社会の各方面でなし崩し的に規制緩和が進む中、入国に際しては最長8日間の隔離義務が残っていた。  北京首都国際空港では8日、日本行きカウンターの前に長蛇の列ができた。家族に見送られ手続きを済ませた女性(60)は「日本に住む娘に、4年ぶりに会いに行く。隔離がなくなり、往復が便利になってうれしい」と笑顔を見せた。3月ごろまで長めの滞在を楽しむ予定だ。仕事で東京へ行くという王復安さん(34)は「日本は2019年以来。中日双方で規制が緩和されるタイミングを待っていた」と話した。  中国インターネット旅行最大手トリップドットコムグループ(携程集団)は5日、今月下旬に控えた春節(旧正月)連休の海外旅行予約件数が、昨年比で6.4倍に増えたと発表した。オーストラリア、タイ、日本の順に人気があり、豪メルボルンは昨年の50倍以上、バンコクは10倍以上になった。  ただ、中国政府は国民の海外旅行を「秩序をもって再開させる」としており、規制を完全には解いていない。日本観光に関しても、団体旅行は再開されておらず、訪日客がコロナ禍前の規模に戻るには一定の時間がかかるとみられる。  インバウンドに期待する東南アジア諸国が中国人観光客を歓迎する一方、中国から新たな変異株が流入したり、感染再拡大を招いたりする事態を懸念する国もある。日米や韓国、英仏などは、中国からの渡航者へのウイルス検査要件を強化し、モロッコは入国自体を禁じている。 【時事通信社】 〔写真説明〕8日、北京首都国際空港の日本行きカウンター前に並ぶ中国人客ら
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