大手求人サイトで「受け子」募集＝８月以降、バイト１１人逮捕―詐欺グループ悪用か・愛知県警

　複数の大手求人サイトが、特殊詐欺の被害者から現金を受け取る「受け子」の募集に悪用され、アルバイトに応募した男女１１人が８月以降、詐欺容疑などで愛知県警に逮捕されていたことが２２日、分かった。犯罪に加担すると知らずに応募した者もいるとみられ、県警はサイト側に求人募集する業者の調査を促す一方、利用者に注意を呼び掛けている。 　県警組織犯罪特別捜査課によると、１１人は２０～６０代で、８～１２月に現行犯逮捕されるなどした。大手求人サイトを通じて受け子になったケースは７月以前は確認されておらず、８月以降に急増したという。 　求人広告は「集荷配達」「商品受け取りスタッフ」などの名目で、日当１万円程度から月収２５万円以上をうたうものもあった。募集業者は複数確認されており、実在する会社を連想させるような社名だったり、住所が架空だったりした。 　仕事は個人宅や公園で荷物を預かり、指示された場所へ届けるなどの内容で、最後まで受け子と明らかにしない場合が多い。連絡には匿名性の高いアプリを使わせるケースもあった。捜査関係者によると、不審に思った応募者から「公衆トイレの個室に入るよう指示され、待っていたら現金が投げ込まれた」との相談も寄せられたという。 　受け子の募集はこれまで、インターネットの「闇サイト」やツイッターなどのＳＮＳが使われることが多かった。 　求人サイトが悪用された背景について、県警幹部は「受け子が不足する中、広く募集でき、安く雇えるからではないか」と分析。「利用者は求人先の住所や電話番号に不自然な点がないか確認し、途中でおかしいと思ったら勇気をもって辞退してほしい」と話した。 　東京都内の大手求人サイト運営会社の担当者は取材に、悪用されたケースがあることを認め、「求人掲載の際は反社会的勢力か調査するなどしている。引き続き掲載基準の見直しや確認強化を図る」とコメントした。　（了）【時事通信社】