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「宇宙安保構想」初策定へ=官民協力、産業育成を重視―関連防衛予算5倍・政府


 日本政府が初めて、宇宙領域に特化した安全保障構想を文書にまとめる方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。経済や軍事、市民生活のあらゆる面において宇宙の重要度が高まる中、政府が宇宙利用の促進や産業育成を主導し、宇宙領域の能力強化を目指す。岸田文雄首相が近く方針を発表。文書の公表は来夏になる見通しだ。  新構想は米国の「国防宇宙戦略」に相当する戦略文書になる見込みだが、名称は未定。背景には、宇宙の重要性が高まり、陸海空やサイバーに並ぶ「戦闘領域」になった現在、「宇宙領域に特化した安全保障構想が不可欠」(関係者)との認識がある。防衛省の宇宙関連予算は2023~27年度に、最高で過去5年間の約5倍に当たる1兆5000億円規模に増えるとみられる。  新構想の柱として、自衛隊と海上保安庁などによる宇宙空間の利用拡大、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業との連携強化を盛り込む。また、民間に対する投資拡大を明記。宇宙産業の人材育成や技術革新を促し、その技術力を国家の防衛に還元することで好循環を生み出す。  中国やロシアが衛星攻撃兵器(ASAT)の開発・配備を進める中、「宇宙領域把握(SDA)」能力向上を図るとともに、多国間連携を通じて人工衛星を含む宇宙システムの防衛態勢も強化する。  宇宙領域を巡っては、20年時点で約40兆円とされた世界の宇宙産業の市場規模が、40年には約100兆円に膨らむと試算されている。軍事における通信や情報収集、ミサイル防衛だけでなく、全地球測位システム(GPS)や現金自動預払機(ATM)などの社会システムも宇宙に依存している。  ただ、人工衛星などの宇宙システムは極めて脆弱(ぜいじゃく)で、有事には宇宙システムを破壊するだけで敵国の戦力を大幅に弱体化させ、社会を混乱に陥らせることができる。米国は数千~数万個の安価な小型衛星を張り巡らせる「衛星コンステレーション」を構築し、一部の衛星が使用不能になってもすぐに代わりの衛星を配備できる態勢を整える計画だ。  日本政府は16日に公表した国家安全保障戦略など安保関連3文書で、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称すると明記。ミサイル防衛用の衛星コンステレーション構築を含め、宇宙作戦能力を強化する方針を示した。 【時事通信社】 〔写真説明〕防衛省のXバンド通信衛星「きらめき2号」を搭載し、打ち上げられたH2Aロケット32号機の噴煙=2017年1月24日、鹿児島県・種子島宇宙センター
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