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トラフグの漁獲量急増=2年で10倍、水温変化影響か―ブランド化に活路・福島県


 福島県沖でトラフグの水揚げが急増している。水温の変化が影響しているとみられ、漁獲量は2年で約10倍となった。東京電力福島第1原発事故による風評被害に加え、震度6強を記録した昨年2月と今年3月の地震で水産業が大きな打撃を受けた同県相馬市などでは、取れたフグのブランド化に活路を見いだそうとしている。  県水産海洋研究センターによると、県沖で取れたトラフグは2019年は2.9トンだったのが、20年に6.3トン、21年は27.8トンと大幅に増加した。今年も10月までに22.4トンに達し、同センターは「水温が平年よりも高い傾向にあり、トラフグが生息しやすい環境になっている」と分析する。  相馬双葉漁業協同組合で最初にトラフグ漁を始めた石橋正裕さん(43)=相馬市=によると、20年ごろからカレイ漁などの際に網に掛かるようになった。石橋さんは「それまで2、3匹しか見たことがなかったが、今では多い時には1回で100匹取れる」と明かす。「トラフグで有名な下関市は、最近ではほとんど取れなくなったと聞く。長期に安定して水揚げできるよう大事にしたい」と話した。  同漁協などは、35センチ以上の大型で、特定の漁法で取れたものを「福とら」と命名し、全国への流通と地元の消費拡大に向けてブランド化を進める。相馬松川浦温泉(相馬市)のホテル「飛天」では、「福とら」を使ったフグ刺しやフグ鍋を提供。11月だけで個人や団体客から100件以上予約があり、経営者の管野貴拓さん(46)は「売り上げは伸びている。地震で暗い話題が多かったが、前を向くしかない。新たな目玉にしたい」と喜ぶ。  課題もある。天然のトラフグは肉質維持のため、取った後の管理が重要だが、地元にはノウハウが乏しく、フグの調理資格を持つ人材も不足する。このため漁協では、業界団体から講師を招き、管理や調理方法を習得させる取り組みを始めた。  相馬市の伊東充幸産業部長は「ここ十年で見えてきたいちるの光だ」と話す一方で、「いつまで取れるか分からない。水揚げがあるうちに価値を高めなければ」と力を込めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕港に水揚げされるトラフグ=9月22日、福島県相馬市 〔写真説明〕「福とら」を使った料理=10月31日、福島県相馬市のホテル「喜楽荘」
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