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「欧州議会にハンマー送る」=決議で反発、ロ軍事会社が脅迫


 ロシアのプーチン大統領に近い民間軍事会社「ワグネル」が、血のりのような塗料の付いたハンマーを「欧州議会に送る」と宣言した。欧州連合(EU)の欧州議会が23日、ウクライナ侵攻を続けるロシアを「テロ支援国家」と認める決議を採択し、ワグネルを名指しで非難した動きに反発したもので、脅迫と受け止められている。  ワグネルは「プーチンのシェフ」の異名を取る実業家エブゲニー・プリゴジン氏が創設。今月中旬、元受刑者の戦闘員がウクライナ軍に投降したのを「裏切り」と見なし、捕虜交換で帰還した際に処刑した疑いが浮上した。その際にハンマーが使われたとされる。  この一件が内外で波紋を呼ぶ中、プーチン政権は「われわれの問題ではない」(ペスコフ大統領報道官)と静観した。ただ、プリゴジン氏はインターネットに流出した処刑の様子とされる動画を「素晴らしい」と称賛。今回の欧州議会への脅迫も、自分たちによる処刑をあえて示唆したものと言えそうだ。  通信アプリ「テレグラム」に23日に掲載された動画では、プリゴジン氏が率いる別会社の代理人弁護士とされる人物がハンマーを公開。「欧州議会に送るため」のもので「音楽家に不可欠なバイオリンの楽器ケースの中に入れてある」と説明された。  「音楽家」はワグネル戦闘員を指す隠語だ。ワグネルはドイツの作曲家ワーグナーのロシア語読みから命名されたため、「オーケストラ」と遠回しに呼ばれることもある。  24日でウクライナ侵攻から9カ月が経過し、米軍の推計ではロシア軍の死傷者は「10万人超」に膨らんだ。プーチン政権は形勢立て直しのため、ワグネル戦闘員のほか、南部チェチェン共和国の独裁者カディロフ首長の私兵を活用。規律が保てず、戦争犯罪の温床になっていると指摘され、欧州議会も問題視している。 【時事通信社】 〔写真説明〕ロシアの民間軍事会社「ワグネル」関係者が公開した楽器ケース入りのハンマー(通信アプリ「テレグラム」より)
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