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12歳の挑戦、支えた兄=親元離れ、愛知で2人暮らし―W杯サッカー・吉田選手


 サッカーワールドカップ(W杯)日本代表でキャプテンを務める吉田麻也選手(34)は、小学校卒業と同時に12歳で親元を離れ、名古屋グランパスのアカデミーに入った。保護者として支えてくれたのは、7歳上の兄穂波さん。「プロにならなきゃいけん」。兄の献身的なサポートを受け、本気でサッカーに向き合うと覚悟を決めた。  吉田選手は3人兄弟の末っ子として長崎市で育った。転機は6年生の秋。穂波さんの勧めでアカデミーのセレクションを受け、見事合格した。「家族もまさか受かるとは思っとらんかった」。後援会長の横田祐治さん(65)は当時をこう振り返る。親戚の元に下宿する予定だったが、土壇場で白紙に。保護者役が必要になり、浪人生だった穂波さんが同行することになった。  穂波さんは食事の支度や試合会場への送り迎えなど、あらゆる面で吉田選手を支えた。アカデミーのコーチだった井森秀歩さん(49)は、スーパーでウオーターサーバーの水をくむ穂波さんの姿に、「麻也のことを考えて水にまでこだわっているんだ」と感心した。  一方で不安を耳にしたことも。「愛知に来た決断は間違っていたんじゃないか」。水くみの順番を待つ間、そうつぶやいた穂波さんは、15歳以下の日本代表に地元・長崎の選手が選ばれたことを気にしている様子だった。井森さんは「15歳の代表が最終目標ではない。これからまだチャンスはある」と声を掛けたが、「それを聞いた時、僕もちょっと責任を感じた」と明かした。  兄の思いも背負い、サッカーにまい進した吉田選手。小学校の同級生、一ノ瀬功輔さん(33)は、「美容師になりたい」と言っていた吉田選手がアカデミーに入った後、「兄ちゃんが名古屋に来てくれたことで、やっぱりプロにならなきゃいけん、ちゃんとサッカーせないけんと思った」と口にしたのを覚えている。井森さんも「麻也が目標から外れずに突き進めたのは、お兄さんのサポートが大きかった」と考えている。  愛知での共同生活から始まった、吉田選手のプロへの道。集大成となる3度目のW杯では、キャプテンとしてチームを率いる立場だ。目標は過去最高のベスト8以上。ドイツとの初戦は23日に迫っている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕サッカーW杯日本代表の吉田麻也選手の後援会長を務める横田祐治さん(右)=9月13日、長崎市 〔写真説明〕サッカーW杯日本代表の吉田麻也選手(左)と名古屋グランパスアカデミー時代のコーチ井森秀歩さん(井森秀歩さん提供)
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