「天馬」前社長らに有罪判決＝ベトナム贈賄事件―東京地裁

　プラスチック製造「天馬」のベトナム贈賄事件で、不正競争防止法違反（外国公務員への贈賄）罪に問われた前社長藤野兼人被告（７０）ら３人と、法人としての天馬の判決が４日、東京地裁であった。香川徹也裁判長は「国際商取引の公正な競争を害した」と述べ、藤野被告に懲役１年、執行猶予３年（求刑懲役１年）、天馬に罰金２５００万円（同罰金３０００万円）を言い渡した。 　経営企画部長だった細越勉（５７）、現地子会社社長だった吉田晴彦（５２）両被告はいずれも懲役１年６月、執行猶予３年（同懲役１年６月）とした。 　判決によると、藤野被告ら３人は２０１７年、ベトナム北部バクニン省税関局検査チーム長に追徴金減免のため２０億ドン（当時約９８０万円）を提供。細越、吉田両被告は１９年にも追徴金減額などで同省税務局副部長に３０億ドン（同約１３８０万円）を渡した。　 　香川裁判長は１７年の事件について「藤野被告は法令順守を指導すべきであったのに、賄賂供与の最終決定を下し、一番責任が重い」と指摘した。１９年の事件に関しては「細越被告は本社の了解が得られると考えたのであって強く非難することまではできない」と述べた。（了）【時事通信社】