売り上げデータも共有＝複数元部下から情報入手―かっぱ寿司社長

　回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長田辺公己容疑者（４６）らが同業大手「はま寿司」の仕入れ情報を不正に取得したなどとして逮捕された事件で、田辺容疑者が別の元部下から入手した同社の売り上げに関するデータもカッパ社内で共有していたことが３日、関係者への取材で分かった。 　警視庁生活経済課は、田辺容疑者がカッパ社で活用するため、複数の元部下からはま寿司の営業秘密を得ようとしたとみて調べる。 　カッパ社などによると、田辺容疑者は同社に転職後の２０２０年１１～１２月中旬、元部下の女性からはま寿司の日次売り上げデータなどを複数回、メールで受け取った。 　関係者によると、田辺容疑者はこのデータをカッパ社の社員と共有。ただ、売り上げは店舗の混み具合からある程度推測できることなどから有用な情報ではないと判断され、具体的に使用されることはなかったという。 　同庁は当初、田辺容疑者について、日次売り上げデータを不正取得した疑いで捜査していた。しかし、捜査の過程で、仕入れに関するデータも持ち出して利用した疑いが浮上したため、優先して立件することにしたとみられる。 　田辺容疑者は、はま寿司の仕入れ原価に関連する営業秘密を持ち出し、転職先のカッパ社で自社との比較に使ったなどとして不正競争防止法違反容疑で逮捕された。 　持ち出した情報の閲覧にはパスワードが必要だったが、転職後、当時はま寿司の経営企画部長だった湯浅宜孝容疑者（４３）から聞き出したとみられる。　（了）【時事通信社】