米太平洋陸軍司令官が奄美視察＝陸自トップと共同会見

　米太平洋陸軍のフリン司令官が８日、鹿児島県の奄美大島を訪れ、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊などを視察した。陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長と共同会見したフリン氏は「日米が継続的にプレゼンスを持つことは（他国の）悪い振る舞いを抑止することになる」と日米連携の意義を強調した。 　南西諸島防衛の主要拠点となる奄美大島で結束を示すことで、台湾や東シナ海で活動を活発化させる中国をけん制する狙いがあるとみられる。　 　フリン氏は上空からヘリコプターで島の地形や自衛隊施設を視察。陸自の奄美駐屯地では「１２式地対艦誘導弾」などの説明を受けた。 　共同会見で吉田陸幕長は「中国の動向は懸念している。南西諸島は地政学的にも極めて重要な地域だ」と指摘。奄美大島で８月に実施した日米共同訓練に触れ、「（宇宙やサイバー空間を組み合わせた）領域横断作戦という分野で、日米の連携はより大規模な作戦が可能なレベルに深化した」と成果を強調した。 　フリン氏は「厳しい安全保障環境で日米の主権を守るには、多国間の連携で結束と集団的決意を示すことが重要だ」と話した。（了）【時事通信社】