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「髪の寄付」広まる=悩む子どもにウィッグ提供―団体「理想は活動いらない社会」


 病気で頭髪が抜けるなどの悩みを抱える子どもたちに贈るウィッグ(かつら)を作るため、髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」が広がりを見せている。善意で協力する人も多いが、ウィッグの提供などを行う団体の代表は、「目指すのは活動が必要とされない社会」と語る。  ヘアドネーションは1990年代に米国で広まり、日本では2009年9月に専門のNPO法人「ジャパンヘアドネーション&チャリティー」(JHD&C、大阪市)が設立された。寄付を希望する人は、所定の条件で切った髪を同法人に送付する。一つのウィッグを作るのに30~50人分必要で、海外工場でのトリートメント処理などを経て完成品となり、希望する18歳以下の子どもたちに無償で提供される。  同法人によると、当初はほとんど知られていなかったが、15年に俳優の柴咲コウさんが長い髪を切って寄付したことで知名度が急上昇した。それまで1日に15件ほどだった寄付は、15年後半には50件ほどに増加。近年は多い時期だと約500件、平均すると300件ほど送られてくるという。  ウィッグを受け取った子どもや保護者からは「気軽に外出できるようになった」「周囲の目が気にならなくなった」などの声が寄せられているという。JHD&C代表理事の渡辺貴一さん(51)は、「困っている人にとっては救いであり、わらにもすがる思いで申し込む人もいる」と話す。  寄付が増えることに対し、渡辺さんは複雑な思いも持っているという。「ウィッグを必要とする人が減らないということは、髪のない人が『多数派』の髪がある人に合わせ続けているということだ」と指摘。「髪がある状態が普通」という社会の意識を変える必要があるとし、「髪を寄付する際は、『良いことをした』で終わらず、こうした問題にも目を向けてほしい」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕寄付された髪の毛で作ったウィッグを手にするNPO法人「ジャパンヘアドネーション&チャリティー」のスタッフ=同法人提供
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