「全ての核のボタン無用に」＝６日、７７回目原爆の日―国連事務総長も出席・広島

　広島は６日、７７回目の原爆忌を迎える。広島市中区の平和記念公園では、午前８時から「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」（平和記念式典）が開かれ、被爆者や遺族、岸田文雄首相らが参列し、犠牲者に祈りをささげる。 　新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で、昨年よりも規模を拡大して開催する今年の式典には、過去最多の１０１カ国と欧州連合（ＥＵ）代表部が参列する見通し。国連からは、グテレス事務総長が初参列する。現職の国連事務総長の出席は２０１０年の潘基文氏以来、１２年ぶり２人目となる。一方、ロシアには招待状を送っていない。 　松井一実市長は平和宣言で、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に世界中で勢いを増す核抑止の考え方を非難。「一刻も早く全ての核のボタンを無用のものにしなくてはならない」と訴える。 　核保有国の為政者に対しては、「核兵器のない世界の実現に向け、国家間に信頼の橋を架け、一歩を踏み出す」よう呼び掛け、被爆地を訪れて「核兵器を使用した際の結末を直視する」ことを要望する。 　日本政府には、核拡散防止条約（ＮＰＴ）再検討会議で橋渡し役を果たし、核兵器禁止条約を批准するよう求める。 　厚生労働省によると、被爆者健康手帳を持つ人は今年３月末時点で全国に１１万８９３５人。平均年齢は８４．５３歳で昨年より０．５９歳高くなった。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕７７回目の原爆忌を翌日に控え、原爆ドームの前でともされた鎮魂と慰霊のかがり火＝５日午後、広島市中区の平和記念公園 〔写真説明〕７７回目の原爆忌の前日、平和記念公園には雨の中、多くの人が訪れていた＝５日午後、広島市中区