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抗体と近赤外光で狙い撃ち=細菌、真菌、ウイルスに有効―新興感染症対策に期待・慈恵医大


 病原体が細菌や真菌(カビなどの仲間)、ウイルスのいずれであっても、抗体と一緒に化合物を結合させて近赤外光を照射し、狙い撃ちする方法を開発したと、東京慈恵会医科大の光永真人講師や岩瀬忠行准教授らが16日までに発表した。黄色ブドウ球菌と真菌のカンジダ菌、新型コロナウイルスを対象に実験し、死滅させる効果を確認。実用化を目指している。  この方法は、関西医科大の小林久隆特別教授が米国立がん研究所で開発したがんの光免疫療法を共同研究で発展させたもの。免疫細胞が生み出す抗体のうち、標的とする病原体に結合する抗体さえあれば適用できる。岩瀬准教授は「治療薬がない新興感染症が出現して流行し始めた場合に、この方法で治療できるかもしれない」と話した。  「光免疫抗微生物戦略(PIAS=ピアス)」と名付けられ、論文は国際科学誌コミュニケーションズ・バイオロジーに掲載された。抗体には近赤外光に反応する化合物を付けておき、抗体が病原体に結合した後に近赤外光を照射すれば、活性化して病原体を死滅させる仕組み。近赤外光は皮膚などの組織を厚さ1センチ程度まで透過するが、感染部位が人体の奥深くにある場合は内視鏡や光ファイバー、開腹手術で近赤外光を照射する方法が考えられる。  細菌感染時に抗生物質で治療すると、皮膚や腸内に常時生息する善玉の細菌群も死滅する問題があるが、この方法は善玉菌には影響しない。一方、抗生物質が効かない薬剤耐性菌については、ラットの鼻の奥やマウスの腹の内部に感染させたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対し、有効なことを実験で確認した。  がんの光免疫療法の場合はがん細胞のみを死滅させる。日本では2020年9月、頭頸部(とうけいぶ)がんの一部を対象に承認され、治療が始まった。小林特別教授は今年4月に開設された関西医科大光免疫医学研究所の所長に就任した。 (了) 【時事通信社】
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