監査強化、８月までに＝拘禁刑導入も提言―知床事故検討委

　北海道・知床半島沖で２６人が乗った観光船「ＫＡＺＵ　I（カズワン）」が沈没した事故で、国土交通省は１４日、有識者による対策検討委員会を開き、小型旅客船の安全対策の中間とりまとめを公表した。速やかに講ずべき対策として、国による監査に抜き打ちやリモートなどの手法を取り入れる強化策や、行政指導の公表を挙げた。同省は、８月末までに開始する方針。 　中間まとめではこのほか、安全確保命令に違反した場合の罰則強化も提言。海上運送法改正などを速やかに具体化する必要があると指摘した。　 　現行法では命令違反しても１００万円以下の罰金にとどまるため、国交省は拘禁刑を導入するとともに法人の罰金を引き上げる方針。改正案の国会提出時期などは検討中という。 　検討委は年内にも最終とりまとめを行う。次回以降は航海中の映像や音声を記録できる装置の導入などを議論する。 　委員長の山内弘隆・一橋大名誉教授は「今後の事故調査から情報を得て、あるべき対策の姿を探っていくのが非常に重要」と述べた。（了）【時事通信社】