医療機器会社を「厳重警告」＝手術動画、医師に謝礼―公取協

　全国の総合病院などに勤務する医師らが、白内障の手術動画を無断で医療機器メーカーに提供し、謝礼を受け取っていた問題で、業界団体の公正取引協議会は１３日、米医療機器メーカー日本法人「スター・ジャパン」（千葉県浦安市）を最も重い「厳重警告」とした。謝礼を受け取った医師は数十人に上り、金額は計２０００万円を超えるという。 　公取協によると、同社は２０１８年１２月～今年３月、同社のレンズを使った医師７５人から手術動画の提供を受け、総額で約２１４５万円の謝礼を支払っていた。医療機関は患者の個人情報について適切な管理が求められているが、医師は患者や勤務先で無断で提供していた。 　景品表示法に基づく業界の自主規制ルールでは、会員の販売促進活動を禁止。一方、同社の内部資料には、自社製品の売り上げ確保が明記されていたという。公取協は同社を「厳重警告」とした上で、コンプライアンス体制の強化などを求めた。 　同社は「医療機器業界の信頼を損なうことになり誠に遺憾。再発防止に向けた対策を講じる」とのコメントを出した。　（了）【時事通信社】