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オンラインで新たな居場所=ADHD当事者が交流―コロナ禍が転機に


 注意欠陥・多動性障害(ADHD)の当事者たちがオンラインでつながり、支え合う新しい形のコミュニティーがある。年中無休でいつでも交流できるオンラインの利点を生かし、対面型の自助グループとは異なる「駆け込み寺」としてメンバーの居場所になっている。  「やらかしました。資料を間違えて別の会社に送ってしまいました」「自分を責めないでくださいね」。渡辺すみれ子さん(28)=東京都世田谷区=が主宰するオンラインコミュニティー「たどうのうズ」のチャットでは、こんなやりとりが繰り広げられていた。渡辺さん自身もADHDで、精神科で「脳の多動による不注意」と説明されたことがコミュニティーの名称の由来だ。  カウンセラーの酒井梨央さん(37)と共に2020年6月に立ち上げ、現在は40人程度が参加する。チャットで日々の失敗談や悩みを共有するほか、月に数回オンラインで顔を合わせる。テーマは好きな本の紹介や障害者手帳に関する情報交換などさまざまだ。  渡辺さんは大学卒業後、17年4月に大手鉄道会社に就職。しかしミスを繰り返し、上司から叱責される日々が続いた。「やる気はあるのにできない。理由が分からず、寮で独り泣いていた」。1年弱で退職した後、ADHDと診断された。  当時は絶望感を味わったが、半年ほどしてSNSでの発信を始めた。その後も当事者らが交流するイベントを開くなどしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、従来の対面型とは違うオンラインコミュニティーを思い付いたという。  参加する東北地方の30代男性は、コロナで地元の当事者会が軒並み中止になり、たどうのうズに行き着いた。「居心地が良く、今はここがメイン」とほほ笑む。他の参加者も「落ち込んだときにすぐ書き込めて、反応がもらえる」と利点を挙げる。  渡辺さんの目標は、発達障害を「障害」だけでなく「多様性の一つ」として捉えてもらうこと。今秋には酒井さんとNPO法人を設立し、活動を広げる予定だ。「ADHDの人の多くが職場で生きづらさを感じている。企業側にも理解を深めてもらうため、講演活動などにも力を入れたい」と意気込んだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕オンラインコミュニティー「たどうのうズ」のメンバーらとオンラインで会話する、主宰者の渡辺すみれ子さん=12日、東京都世田谷区(一部画像処理しています)
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