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「しまくとぅば」消滅危機=復帰前の標準語教育が影響―若者への継承課題・沖縄


 5月に本土復帰50年を迎えた沖縄県で伝承されてきた方言「しまくとぅば(島言葉)」が消滅危機に陥っている。専門家は「言語や風俗の本土化のために実施された標準語教育がきっかけ」と指摘。県は方言を守るための取り組みを続けており、次世代への継承が課題となっている。  近代沖縄の教育史に詳しい北海道大の近藤健一郎教授によると、明治政府による「琉球処分」の後、沖縄県の上層部は本土の人が占める一方、県民は日本語能力が不十分とされ、標準語教育に力が注がれた。  1900年代初期からは、県内の一部地域の学校で「方言札」が導入され、児童は標準語を話すよう強いられた。方言を話した児童は、罰として首から札を下げなければならず、他に方言を話す児童が現れた時にその札を渡すことができた。  当時、ほとんどの児童が無理をして標準語を話し、体験した人は「掃除当番をさせられた」「札を持っている人のそばに近寄らなかった」と証言しているという。方言札の政策は72年の本土復帰直後まで約70年間存続した。  本土復帰後、方言の風化が進み、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2009年、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語の五つを「消滅の危機に瀕(ひん)する言語」と認定。近藤教授は、沖縄で核家族化が進行したことも一因と指摘し、「高齢者と接する機会が減った若者が、徐々に方言から遠ざかった」と説明する。  県では06年、毎年9月18日を「しまくとぅばの日」とする条例が制定された。13年には「しまくとぅば普及推進計画」を策定。今年度から県内約40カ所の地域で方言を話す人の声を集め、保存する事業を始めた。県文化振興課は「地元の人が話すしまくとぅばを記録するだけではなく、学生などの次世代が聞いて話す機会をつくり、未来に継承するための取り組みを続けたい」としている。 (了)【時事通信社】
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