従業員が非常口把握せず＝６人死亡火災で調査報告書―三幸製菓ＣＥＯが謝罪

　三幸製菓荒川工場（新潟県村上市）で２月、従業員６人が死亡した火災で、同社は３１日、新潟市の本社で記者会見を開き、従業員の一部が非常口を把握していなかったとみられるとの調査報告書を公表した。火災発生後初めて会見した佐藤元保最高経営責任者（ＣＥＯ）は「皆さまに多大なるご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。
　同社が設置した調査委員会の報告書によると、避難訓練を受けていない従業員が非常口の場所を把握していなかったことや、停電で視界が失われたことが犠牲者を出した原因とみられるという。　
　再発防止策として、火災発生を早期に検知するセンサーの導入のほか、夜間や停電時などを想定した避難訓練の徹底などを図るとした。
　同社は事故後、全ての工場で生産を停止している。これまでに判明した避難経路や防火設備などの不備を是正した後、遺族らに説明した上で順次再開する予定という。
　会見後、取材に応じた遺族は「遺族にとっても会社にとっても小さな一歩が動きだした。二度とこのような事故を起こしてもらいたくない」と話した。（了）
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する三幸製菓の佐藤元保最高経営責任者（ＣＥＯ）＝３１日午後、新潟市北区の同社本社
〔写真説明〕記者会見に臨む三幸製菓の佐藤元保最高経営責任者（ＣＥＯ）＝３１日午後、新潟市北区の同社本社