船体引き揚げへ準備作業＝潜水士が開口部閉鎖―知床観光船事故

　北海道・知床半島沖で２６人が乗った観光船「ＫＡＺＵ　I（カズワン）」が沈没した事故で、専門業者「日本サルヴェージ」は２１日、水深約１２０メートルの海底に沈んだ船体の引き揚げに向けた準備作業を始めた。 　作業は高い水圧に体を適応させた飽和潜水士が担当。同日は船体の開口部を全て閉めるほか、作業の妨げになるアンテナの撤去などを行う。　 　船体はスリングと呼ばれるナイロン製のベルトを使ってつり上げる計画で、取り付けは２２日になる見通し。順調に作業が進んだ場合、２３日に作業台船の上に引き揚げる予定だが、天候によってはずれ込む可能性がある。 　第１管区海上保安本部（小樽市）によると、１９、２０日に実施された飽和潜水士による船内捜索では、客室や操舵（そうだ）室、トイレなどを調べた。一方で、機関室や倉庫スペースなど潜水士が入れなかった所もあり、同本部は引き揚げ後に船内を詳しく調べる。（了）【時事通信社】