病院で誓いのダンス＝脚失った女性が結婚式―ウクライナ

　ウクライナ西部リビウの病院で２日、看護師の女性が「結婚式」を挙げた。地雷に巻き込まれて両脚と左手の指４本がない。一時は希望を失いそうになりながらも、正式に夫となるパートナーにしっかりつかまり、患者らを前に白いウエディングドレス姿でダンスを一緒に披露した。 　米メディアなどによると、女性はオクサナさん（２３）。ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力が交戦する東部ルガンスク州で暮らしていたが、３月２７日、買い物帰りに地雷を踏んだ。６年来のパートナーのビクトルさんは後ろを歩いていて無事で「ほんの１秒の出来事だった」と明かす。 　オクサナさんは応急処置と手術を受けながら、中部ドニプロに逃れ、今はリビウで義足を使えるようリハビリ中。当初は「もう生きていたくなかった」が、ビクトルさんと子供２人の存在に支えられた。「もし神様が私を生かしたのなら、それが運命」と思えるようになったという。 　地元医師会のフェイスブックによれば、２人はリビウで指輪とドレスを調達し、婚姻手続きを済ませた。ケーキはボランティアが焼き、同じ病院の患者らが結婚を祝福。医師会は「オクサナさんの治療とリハビリが早く終わりますように」とエールを送った。　【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ西部リビウの病院で「結婚式」のダンスを披露する両脚を失ったオクサナさん（中央右）とビクトルさん（同左）＝２日、リビウ市第１医師会がフェイスブックに投稿した動画より