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乗客の父「本当に悔しい」=船上でプロポーズ計画―北海道・知床


 恋人の誕生日祝いで北海道北見市から知床を訪れ、観光船「KAZU I(カズワン)」に乗船していた20代男性と恋人は今も行方が分からない。船上でプロポーズする計画だったといい、船が出港した斜里町のウトロ港を訪れた男性の父は25日、「本当に悔しい」と涙ながらに語った。  「クルーズに行ってきます」。男性は付き合っていた女性と乗船する直前、父の携帯電話に約10秒の動画を送った。だがその後、連絡が取れなくなった。  事故後、男性が船上で恋人にプロポーズする計画を立てていたことを人づてに聞いた。記念すべき日の惨事に、父は涙をこらえきれず、「本当に許せない」と声を震わせた。  父は報道で事故を知り、事故当日の23日に帯広市から知床に急行。観光船を運航する「知床遊覧船」(斜里町)には「不信感しかない」と憤る。24日の家族説明会に参加したが「情報が少なすぎる。あまりにもずさん。なぜこういう事故になったのか説明は何もない」と語った。  現場海域周辺では昼夜を問わず、捜索が続く。地元・ウトロ漁業協同組合の漁船と観光船は25日午前6時ごろ出港。深山和彦組合長は「同じ海に出る者として早く見つけてあげたい」と話した。   斜里町ウトロの宿泊施設では、午前9時ごろから、海上保安庁の職員による捜索状況の説明が行われた。参加する乗客家族らは神妙な面持ちで施設に入った。海保によると、参加家族は約30人で、国土交通省職員や運航会社社長も同席した。(了)【時事通信社】
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