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「ロシア制圧下」の故郷無念=マリウポリ破壊は「見せしめ」―検問所通過、緊張の一瞬


 【リビウ時事】ウクライナに侵攻したロシア軍は、南東部の要衝マリウポリの「制圧」を一方的に宣言した。激しい攻撃で徹底的に破壊されたマリウポリから西部リビウへと逃れた男性が取材に応じ、「故郷の再建に尽くしたいが、ロシアの支配下では絶対に戻らない」と無念をにじませた。  男性はマリウポリ出身の歴史研究者イェウヘン・ホルプさん(33)。故郷を奪われた気持ちを尋ねると、「マリウポリの惨状は、抵抗は無駄だとウクライナの各都市に示すための見せしめだ」と憤った。  イェウヘンさんが母親ら親族4人と共にマリウポリを脱出したのは、3月23日のことだ。当時、所持するラジオから得られたのは親ロシア派のプロパガンダのみ。「携帯電話の電波を求めて外に出てみたら、偶然連絡が取れたリビウの友人から『マリウポリは終わりだ』と忠告された」のが決め手だった。  逃避行の際、マリウポリ包囲に加わるチェチェン人戦闘員は検問所で「(ロシアが併合したウクライナ南部)クリミア半島はどこに属する?」と質問。身の危険を感じ、意に反して「ロシア」と答え、通過した。  次の検問所では、丁重に振る舞うロシア兵に「ウクライナ側に行けば徴兵され、殺されるぞ。クリミアなら良い生活が待っている」と諭されたが、「信用できるはずがない」と振り切った。路上には市民の遺体が無造作に放置され、瀕死(ひんし)の兵士らも倒れていた。  イェウヘンさんによれば、ロシア軍は政治的信条などを理由とする要警戒人物リストを持っていた。検問所ではフェイスブックなど交流サイト(SNS)を調べられた人もいるとされ、「自分も見られたら危険だったかもしれない。脱出できたのは幸運だった」と述懐する。  マリウポリには祖父母を含む親族6人が残ったまま。一緒に脱出を懇願したが、「残りたい」とかたくなに拒まれた。極度の食料不足が続き、支援物資は6人でキャベツ1個だけの過酷な状況。安否は不明だ。  「私が憎むのはロシアではなく、ロシアの指導部だ」と話すイェウヘンさん。「ロシア国民はプロパガンダに毒されて気の毒だ。ひどい過ちだったと気づくのは何年も先だろう」とため息をついた。 【時事通信社】 〔写真説明〕取材に応じる、ウクライナ南東部マリウポリから逃れてきた歴史研究者のイェウヘン・ホルプさん=22日、ウクライナ西部リビウ 〔写真説明〕22日、ウクライナ南東部マリウポリで、破壊された町を歩く男性(ロイター時事)
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