本屋大賞に逢坂冬馬さん＝「同志少女よ、敵を撃て」

　全国の書店員の投票で「一番売りたい本」を選ぶ「２０２２年本屋大賞」が６日、逢坂冬馬さん（３６）のデビュー作「同志少女よ、敵を撃て」（早川書房）に決まった。 　同作は第２次世界大戦の独ソ戦が舞台。女性だけで構成されるソ連軍の狙撃手部隊に入ったセラフィマは、倫理観のゆがんだ過酷な戦場を駆け抜け、やがて「真の敵」を見いだす。 　東京都内で開かれた発表会に出席した逢坂さんは「感謝の気持ちでいっぱい」と喜びを表現した一方、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、「市民や兵士がどれだけ亡くなるか、またこの光景をセラフィマが見たらどう思うのかと考え、悲嘆に暮れた」と複雑な胸の内を明かした。 　２位は「赤と青とエスキース」（青山美智子著、ＰＨＰ研究所）、３位は「スモールワールズ」（一穂ミチ著、講談社）だった。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕２０２２年本屋大賞に「同志少女よ、敵を撃て」が選ばれ、書店員たちと記念撮影する著者の逢坂冬馬さん（中央）＝６日、東京都港区