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キエフを「キーウ」に、歓迎も=欧米メディアにウクライナ人―「歴史知る契機」と識者


 ロシアの軍事侵攻後、ウクライナの首都をロシア語由来の「キエフ」からウクライナ語由来の「キーウ」表記にする動きが欧米メディアで広がる。同国にはロシア語を母語とする人も多く、意に介さない人もいるが、表記変更を歓迎する声も聞かれた。  侵攻開始の2月24日以降、仏紙リベラシオンなどがキーウ表記に相次ぎ変更。日本でも、自民党の佐藤正久外交部会長が「『キーウ』で政府答弁を」と問題提起したほか、一部民放が追随した。  現地ウクライナ人の受け止めはどうか。首都在住のアンドレイさん(36)は、メッセンジャーアプリを使ったロシア語での取材に、「気にしないで。ロシア語に嫌悪感はない」。東部に住んでいたドミトリーさん(19)も「さまざまな民族、人種の友人がいるけど、僕たちは迫害なんてしない。ウクライナ語由来の呼び方は素晴らしいけど、ロシア語も素晴らしい。憎むべきはロシア政府とその支援者だ」とメッセージを寄せた。  南部に住むフセボロドさん(29)は「生まれた時からロシア語を話している」と言う。ただ「公式文書はウクライナ語であるべきだ。僕たちの国語だから」とアプリを通じて話した。  東京都内の抗議デモに参加したアデリーナさん(17)は「世界の動きはうれしいけど、ロシア語を話す人は大勢いる。キエフと表記されていても非難はしない」と語った。  2018年にはウクライナ外務省が「キーウ・ノット・キエフ」と銘打ち、表記の見直し運動を始めていた。19年、日本とウクライナ両国外務省関係者や専門家による有識者会議が「表記をできる限りウクライナ語に近づける」として、キエフを「キーウ」、ハリコフを「ハルキウ」などとする試案を公表した。  有識者会議の座長も務めたウクライナ研究会会長の神戸学院大、岡部芳彦教授は「表記は第1言語のウクライナ語で統一するのが自然な流れだが、定着した言葉を変えるのは難しい」とし、「キーウ(キエフ)」併記も一案だとする。その上で、ウクライナ語の使用が旧ソ連のスターリン時代などにたびたび禁じられてきた歴史的背景があると指摘。「キエフがロシア語由来だと認識してもらえたことに意義がある」と語った。(了) 【時事通信社】
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