元介護職員に判決へ＝入所者２人死傷―岐阜地裁

　岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で２０１７年、入所者の女性２人に暴行を加えて死傷させたとして、傷害致死罪などに問われた元職員小鳥剛被告（３６）の裁判員裁判の判決が８日、岐阜地裁（出口博章裁判長）である。検察側は懲役１２年を求刑。弁護側は無罪を主張している。 　目撃証言などの直接証拠はなく、検察側が積み重ねた状況証拠をどう判断するかが焦点だった。 　検察側は、防犯カメラの映像や施設職員の証言などから、小鳥被告以外の関与は考えられないと主張していた。 　弁護側は、防犯カメラには死角があり、居室に出入りする人物の特定は不可能だと指摘。女性２人は重度の骨粗しょう症だったとし、介助行為で上半身が圧迫されたことによる事故と訴えていた。 　起訴状によると、小鳥被告は１７年８月１２日、入所者の女性＝当時（８７）＝の首を絞めたり、胸を圧迫したりして外傷性血気胸で死亡させたほか、別の女性にも暴行を加えて両肋骨（ろっこつ）骨折などの傷害を負わせたとされる。（了）【時事通信社】