外資系から移籍組も＝「利益の重圧」背景か―逮捕のＳＭＢＣ日興幹部

　金融商品取引法違反容疑で逮捕されたＳＭＢＣ日興証券幹部を知る元社員は、「不正をするような人ではない」と話す一方、「会社の利益を上げるプレッシャーがあったのではないか」と指摘した。 　ヒル・トレボー・アロン容疑者（５１）は、２０１４年にＵＢＳ証券からＳＭＢＣ日興証券に移り、２０年に専務執行役員とエクイティ本部本部長に就任した。同容疑者を知る元社員は「株価操縦のようなばかなことをする人ではない」と話す。北海道庁での勤務経験もあり、日本語が達者で社内でも人気があったという。 　エクイティ部部長の山田誠容疑者（４４）は、ゴールドマン・サックス証券から１５年にＳＭＢＣ日興証券に入社。翌年、トレーディング業務を担う部長に起用された。元社員は「ルールが厳しい外資系から来たので倫理観は高い」と評価。不正については「証券会社ならではの『上からの重圧』があったのかもしれない」と話した。 　別の元社員は、「ＳＭＢＣ日興証券は自己売買部門が他の大手証券に比べ弱い。盛り上げるためにヒルさんや山田さんが来た」と明かす。「他社に追い付け、追い越せで危ないこともやったのかもしれない」と話した。（了）【時事通信社】