きっぱり「争う気ない」＝終始うつむく―日大前理事長田中被告

　「争う気はありません」。東京地裁で１５日開かれた初公判で、日大前理事長田中英寿被告（７５）はきっぱりとした口調で起訴内容を認めた。 　長期にわたり大学に君臨し、「日大のドン」とも呼ばれた田中被告。黒いスーツに赤いネクタイ、眼鏡を掛け、軽く頭を下げて地裁で最も広い１０４号法廷にゆっくりとした足取りで入った。 　証言台の前では直立不動で若干緊張した様子。裁判長から名前や生年月日を聞かれると低い声で答えた。終始うつむき加減で、職業を尋ねられると裁判長の方を見て「無職」とだけ述べた。 　検察官が起訴状を読み上げる間もほとんど身動きしなかった。裁判長から内容に間違いがないか問われると背筋を伸ばし、「はい」と答えた。（了）【時事通信社】