男に懲役２４年求刑＝大阪女児ら誘拐―水戸地裁

　インターネット交流サイト（ＳＮＳ）で知り合った大阪市の女児と茨城県の女子中学生を誘拐したとして、未成年者誘拐罪などに問われた栃木県小山市、無職伊藤仁士被告（３７）の論告求刑公判が２６日、水戸地裁（中島経太裁判長）であった。検察側は「被害者の人格や尊厳をじゅうりんした極めて悪質な犯行だ」として懲役２４年を求刑した。 　検察側は論告で、被告が甘言を使って当時１５歳だった女子中学生を誘拐し、自身の支配下に置いて肉体的、精神的苦痛を与えたと指摘。当時１２歳だった女児についても、女子中学生を利用して誘拐するなどしており、計画性があると非難した。 　一方、弁護側は「被告が女児らを家に迎え入れたのは命を守るためにやむを得ずにした行為」などと訴え、改めて無罪を主張した。　 　起訴状などによると、被告は２０１９年１１月、ＳＮＳで女児を誘い、小山市の自宅まで連れ去り、数日間にわたり誘拐。１９年５月には女子中学生もＳＮＳで誘って誘拐し、わいせつ行為をしたなどとされる。 　女児は栃木県警の交番に助けを求めて保護され、その後、被告宅で茨城県の女子中学生が見つかった。（了）【時事通信社】