巨人に「大」きな「勢」いを＝ドラ１翁田、病と壁乗り越え―プロ野球

　巨人のドラフト１位新人、翁田大勢投手（関西国際大）はグラブに「べっちょない」と刺しゅうしている。地元兵庫県の播州地域で「大丈夫」を意味する方言だ。壁を乗り越えてきた自負を胸に「球の強さをアピールし、開幕１軍を狙いたい」と意気込む。 　１８日の新人合同自主トレーニング。初めて入ったブルペンでのキャッチボールで、重い音を響かせた。球を受けた同期選手は、けが防止のため程なく交代に。期待の右腕は「まだ５、６割の力。プロのマウンドは硬いので、下半身を意識したい」と事もなげだった。 　兵庫・西脇工高時代に指名漏れを経験。大学４年の昨年春には右肘の骨折に泣いたが、ただでは起きなかった。「けがをしない体とフォームをつくった。すると球速もついてきた」と振り返る。 　秋季リーグでは最速１５７キロをマーク。トレーナーの助けもあり、自ら考えて修正するすべも学んだ。プロへの扉をこじ開け、「高校で指名漏れした自分を選んでくれた。日本一の戦力になって恩返ししたい」と話す。 　出生後に高熱が分かり、血管に炎症が生じる川崎病のため中学まで検査に通ったという。病院訪問など慈善活動に前向きで、「それができる選手になりたい。自分の結果で勇気づけられたらいい」。登録名にもなった「大勢」は、勢いある人生を願って命名された。その名の通り、力強い道を歩む覚悟がある。（了）【時事通信社】