自転車違反金見送り＝ヘルメット努力義務は拡大―道交法改正案

　道交法改正案では、悪質な違反を行った自転車利用者に対する違反金の導入は見送った。一方、ヘルメットは現在１３歳未満の子どもの保護者に対し、子どもに着用させるよう強制力のない努力義務が課されているが、対象を全ての利用者に拡大する。 　警察庁が設置した新たなモビリティー（移動手段）に関する有識者検討会は４月、自転車利用者のうち悪質な違反者への刑事罰による責任追及が不十分で、新たに行政処分となる違反金の導入を検討すべきだとする中間報告をまとめ、２３日の報告書でも言及された。 　中間報告を受け、同庁は少額の違反金を課す制度の創設を検討したが、来年の通常国会に提出する改正案には盛り込まなかった。同庁幹部は「違反金制度は自転車に関するルールが周知されていることが前提となるが、現時点では十分ではないとの指摘がある。まずは安全教育を徹底させる」と説明した。 　一方、ヘルメットについては電動キックスケーターと同様に、強制力はないが年齢を問わず全ての利用者に努力義務を課す方向で検討している。（了）【時事通信社】