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コロナ禍で競売市場が過熱 仮想通貨長者も後押し


【パリAFP=時事】米物理学者アルバート・アインシュタインの直筆のメモが1160万ユーロ(約15億円)、メキシコ人芸術家フリーダ・カーロの絵画が最高額の約3500万ドル(約40億円)、恐竜トリケラトプスの世界最大級の骨格標本が660万ユーロ(約8億5000万円)──。競売の世界ではここ最近、前例のない規模の取引が続いている。(写真は仏パリの競売所ドゥルオーで、競売に先立ち展示されたトリケラトプス「ビッグ・ジョン」の骨格標本) 出品物の査定額を出すのは、以前より難しい。 アインシュタインが一般相対性理論の構想時に残したメモの落札価格は、予想価格の5倍だった。アインシュタインの直筆文書では過去最高額だ。 11月には、お蔵入りになった1970年代版のSF映画『デューン』の絵コンテ集が激しい競り合いの末、予想の100倍近くとなる266万ユーロ(約3億4000万円)で落札された。 美術品市場調査会社アートプライスによると、競売への関心が過熱している要因は、取引がオンラインで行われるようになったことにある。こうした傾向は、特に米国やアジアで顕著だ。 「競売会社は、時代にかなり後れを取っていました。しかし、新型コロナウイルス流行の影響でデジタル化を余儀なくされた結果、オンライン取引が目覚ましい伸びを見せ、新しい顧客層を呼び込んでいます」とアートプライス創始者のティエリ・エルマン氏は話す。 さまざまな傾向が変化しているとして、30代には住宅購入より美術品収集が好まれるようになっていることを例に挙げた。■投資先に困った富裕層 2020年、新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)の期間中、オンライン形式の競売の数は爆発的に増加した。 コロナ禍にもかかわらず株価が急騰する中、富裕層は資産を著しく増やす一方で投資先に困り、競売に目を向けるようになった。そうして、美術品の古典的名作が次々に高値を更新する結果につながった。 収集熱は美術品以外にも広がっている。例えば、米プロバスケットボール(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダンが現役時代に着用したシューズに150万ドル(約1億7000万円)、米国憲法の原本1部に4300万ドル(約49億円)の値が付いた。 「多くの美術品の販売会で客を入れられず(中略)、販売形態の中心はオークションになっています」と、美術業界紙アート・ニュースペーパーの市場担当記者アンナ・ブレイディ氏は話した。 最近、競売に大量につぎ込まれている資金は、ここ最近台頭した仮想通貨長者によるものだという。こうした人々は当初、デジタルアートに注目していたが、従来型の作品にも触手を伸ばし始めている。 仮想通貨界の「クジラ(巨額な資金を動かす投資家)」として知られるジャスティン・サン氏は今年、パブロ・ピカソとアンディ・ウォーホルの作品を購入。11月に入り、アルベルト・ジャコメッティの彫刻「鼻」を7840万ドル(約89億円)で競り落とした。 サン氏はツイッターで購入を自慢し、保守的な美術関係者の不興を買ったが、落札者名を非公開とする慣例を破ったことで、アート市場ではさらなる競争の過熱が予期される。■オンラインで1億円以上の買い物に「心理的抵抗なし」 これはバブルなのだろうか。 この疑問は以前にも持ち上がった。とりわけ1980年代には、金回りの良さを誇示しようとした新世代「ヤッピー(都会の高所得者の若手エリート)」の影響でアート市場は過熱寸前に見えた。 その後、2008年の世界金融危機など、何度かアート熱が冷める時期はあったが、全体のトレンドとしてはずっと上向いている。 アートプライスによると、2000年には1億300万ドル(約117億円)だった現代アート市場の規模は、現在27億ドル(約3060億円)まで成長している。 コンサルティング・グループ、デロイトは、2020年時点で超富裕層が所有する美術品や収集品について時価総額1兆4500億ドル(約160兆円)と推計している。 超富裕層には「100万ドル(約1億1000万円)以上するものをオンラインで買うことに対する心理的抵抗がないのです」とエルマン氏は語った。【翻訳編集AFPBBNews】〔AFP=時事〕(2021/12/02-13:05)
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