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伝統芸能が楽しめる“浅草すぎるホテル” 「浅草ビューホテル アネックス 六区」が開業1周年記念式典を開催!


東京・浅草の歴史文化と芸能の発信地、浅草公園六区にある地域体験型ホテル「浅草ビューホテル アネックス 六区」が昨年3月の開業から1周年を迎え、記念式典を開催。
多方面からのゲストやメディア関係者を招き、同館で定期開催されているステージパフォーマンスなどが披露された。銀座歌舞伎座の舞台で実際に使用していた本格的な檜舞台を擁し、ステイ中に日本の伝統文化が体験できる“浅草すぎるホテル”。その魅力がたっぷり感じられた式典の様子をお届けしよう。

歌舞伎座の舞台で実際に使用していた檜舞台を持つ浅草の体験型ホテルが開業1周年

浅草ビューホテルの新館として昨年3月に開業した「浅草ビューホテル アネックス 六区」。
昭和初期から映画館、寄席、劇場などが集まり、現在も浅草演芸ホールや浅草東洋館などの演芸場などでにぎわう浅草公園六区に位置するホテルは、浅草寺や浅草花やしきなど、浅草観光の代表スポットへのアクセスにも便利なロケーションにある。

「文化発信・文化体験の拠点」をコンセプトにした、和の伝統文化に触れられる体験型ホテルを標榜する同館は、アール・デコ調の建物内に映画や伝統芸能の文化を感じるポイントが各所に散りばめられている。今回、開業1周年記念式典が行われた1階レストラン「ブロードウェイ 六区」の檜舞台は、その最たる魅力のひとつだ。

この舞台の建材には、かつて銀座の歌舞伎座で使用されていた檜板を使用。
丹沢山地で選別された樹齢百年以上の檜を伊勢の松坂で製材したという貴重な木材が使われており、週末を中心に5つのステージプログラムが行われている。
日頃からこのステージで活躍している活弁士、麻生八咫・麻生子八咫の司会で華やかに始まった式典では、初めに同館支配人の池田誠氏が開幕の挨拶。

まずは一周年を迎えられたことに際して関係各所への感謝の思いを述べた同氏は、会場に集まったゲストに同館のコンセプトと館内の概要を改めて紹介。その上で、さらなる進化を目指す2年目の展望として次の3点を発表した。

①地域貢献
地方との共催イベントなどを開催し、地域ブランディングに貢献。
浅草伝統芸能の情報発信拠点となり、世界中に浅草の魅力を拡散する。

②本物の伝統文化
既存興行内容の進化、定期興行開催日の拡充を図り、着地型コンテンツも開発。
「粋な遊び」に触れられる場を一層増やし、伝統芸能の発見と体験をさらに追求する。

③日本の食文化
日本の食文化を伝えるべく「出汁」の魅力発信をますます追求。
ワークショップでの継承など、食べるだけでない文化の発信も行う。

これらを踏まえて「本来のコンセプトに基づき、付加価値を深掘りすることで『これから』を創り上げていきます」と述べた池田氏。その力強い決意に会場には大きな拍手が上がった。

開業1周年を祝した伝統芸能プログラムを上演

その後はスクリーンに映し出された浮世絵に合わせて明治維新以降の浅草の歴史を語る麻生八咫、子八咫のパフォーマンスを皮切りに、伝統芸能のパフォーマンスがスタート。
彼らと同じく普段からこのステージで活躍する観世流能楽師の坂真太郎、浅草花柳界の芸者衆、いやさかプロジェクトの和太鼓奏者が登場し、開業1周年を祝う伝統芸能の特別プログラムが披露された。

能、芸者遊び、和太鼓、活弁…。おそらく興味をもっているものの、それぞれ伝統の壁を感じて、どこから始めればいいか分からないという人も少なくないであろう浅草芸能の数々。
特にチャップリン時代などの無声映画に弁士がリアルタイムで声をあてていく映画創成期の芸能だった「活弁(かつべん)」は、間近でなくとも触れることはそうそうない“絶滅危惧種”の名人芸といえる。

そのような中、こちらのステージでは各演目ごとに解説を付けるなど分かりやすさを重視したプログラムが組まれ、また、演目後には演者と写真撮影ができるという、浅草芸能初心者だけでなく、“ASAKUSA”にやってきた外国人観光客も立ち入りやすい「気軽」な雰囲気が大きな魅力となっている。

初めに披露された 能のプログラムでも「能は謡いと囃子に合わせて演じられる歌舞劇で、室町時代に成立した日本を代表する舞台芸術です。台東区は能の上演や能役者の居住地として重要な役割を担ってきました。近代に至っても厩橋の梅若能楽堂、根岸の前田邸根岸能舞台、西町の観世銕之亟家能舞台などがあり、これらが明治維新で荒廃していた能楽復興の拠点の一つとなりました…」といった司会の解説があった後に、最初の演目「高砂」の紹介が。続いて、物語や所作の解説を途中に挟みながら計3つの演目が上演された。

その後、2つ目のプログラムである浅草芸者衆の踊りに移り、おしろい顔の芸者が登場すると、舞台は能の煌びやかな世界観から芸者衆の華やかな世界観へと転換する。

ここでも「浅草芸者は江戸時代中期に浅草寺の門前町に誕生した芸妓です。当時、浅草の芸妓は広小路芸者、堀の芸者、猿若町芸者という3つの地域に分かれておりました…」という司会の分かりやすい解説の後に踊りと三味線の演奏によるパフォーマンスが披露。
このパフォーマンスでは幇間(ほうかん、宴席で客の機嫌を取る太鼓持ちの役割)による滑稽な芸やかっぽれも秀逸で、会場に笑いを届けていた。

“浅草すぎるホテル”の、2年目の進化に期待!

3番目に登場した、いやさかプロジェクトは、文久元年(1861)からの歴史を持つ浅草の和太鼓店「宮本卯之助商店」が、日本の芸能の発展を目指して立ち上げたプロジェクトだ。
ここではその中から3名の和太鼓奏者が出演。バチが太鼓を打つ音は腹まで響き渡り、力強さと疾走感あふれるリズムが会場を熱く盛り上げる。

そして式典のラストには、麻生八咫、子八咫といやさかプロジェクトによるコラボパフォーマンスが行われ、昭和13年(1938)公開のマキノ正博監督作「忠臣蔵 天の巻・地の巻」を『活弁×太鼓』で披露。
松の廊下刃傷事件や吉良邸討ち入りなど、けたたましいほどの勢いで繰り広げられる二人の活弁に会場中が圧倒されていた。

「これから2年目の進化は皆様のご支援無くして成し得ることはできないと考えております。今後も浅草ビューホテル アネックス 六区へご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」という池田支配人の挨拶の後、麻生八咫の景気のいい掛け声による一本締めで締めくくられた記念式典。

式典の合間には出汁にこだわった松花堂弁当もふるまわれ、食事をしながら伝統芸能を楽しめる魅力も十分に伝わる機会となった。

各ステージプログラムは、もちろん宿泊客以外のゲストも鑑賞可能。開催スケジュールや料金などについては、浅草ビューホテル アネックス 六区の公式ホームページで確認してほしい。
浅草らしい体験型プログラムで日本の魅力を発信する“浅草すぎるホテル”、浅草ビューホテル アネックス 六区のさらなる進化を期待したい。

浅草ビューホテル アネックス 六区
■URL:https://www.viewhotels.co.jp/asakusa-annex/

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